昨年、Fast Company誌に「北米で最も革新的な企業」のトップ10に選出されたレアアースを中心とする重要鉱物の循環型サプライチェーンを構築したカナダのCyclic Materials社の経営陣が3月16日(月)から来日し、日本の自動車メーカー、総合商社、モーターメーカー、メカトロニクス系企業などと面談しました。
同社はレアアース磁石のリサイクルに特化したクリーンテック企業で、EV・風力発電・産業機器向けに不可欠なネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)などの重要鉱物を回収・再資源化しています。世界的にレアアース磁石のリサイクル率は1%未満とされる中、同社は独自の完全機械化プロセス「MagCycle℠」を確立し、商業規模(年間8,000トン処理能力)での運転を実現しています。さらに「REEPure℠」技術により高純度のレアアース酸化物を生産しており、単なる回収ではなく、再度サプライチェーンへ投入可能な品質を確保しています。
同社の最大の戦略的価値は、中国以外(ex-China)でのレアアース供給体制を構築している点にあり、地政学リスクの高まりや資源ナショナリズムが顕在化する中、自動車OEMや磁石メーカーにとっては、安定かつ低炭素な代替供給源の確保が喫緊の課題となっています。同社は既に北米で商業施設を稼働させ、米国・欧州への拡張を進めており、資金面でもシリーズCで7,500万米ドルを調達するなど、量産フェーズへの移行を着実に進めています。
親和性が高い日本の磁石メーカーによる技術評価・適合確認が進んでおり、自動車・HVAC関連OEMとの関係構築も進められています。脱炭素化、サプライチェーン強靭化、経済安全保障という三つの観点から、単なるリサイクル企業ではなく、「次世代レアアース循環型供給網」を担う戦略的パートナー候補と位置付けられ、日本の総合商社や自動車OEMにとって長期的な資源確保と環境価値向上を同時に実現し得る有力な協業対象といえます。具体的には①原料オフテイク契約、②アジア展開に向けた合弁・販売提携、③日本国内での回収ネットワーク構築、④戦略出資による資源ポートフォリオ強化といった複数の関与機会が想定されます。
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